【現役人事が解説する】面接フェーズ毎に人事が見ていること

「1次面接と最終面接で回答の仕方を変えた方がいいの?」、「最終面接10分だったけど何をみているの?」

面接フェーズ毎にどんな違いがあるか分からずいつも自信のない面接となってしまう方も多くいると思います。

そこで、現役人事の私が面接フェーズ毎に人事が何を見ているかを解説します。

これを意識することで面接フェーズ毎に対策を立てられるようになりますので、ぜひご覧ください。

面接フェーズ毎に人事が見ていること

面接の最終目的は会社に貢献する人材を判断することです。

しかし、会社側もこれを一回の面接で達成しようとは考えていません。

そのため、面接フェーズ毎に目的をもって選考し、段階を踏んで最終目的の会社に貢献する人材であることが判断できるようにしています。

面接フェーズを「1次面接」、「2次面接~最終面接手前」、「最終面接」の3つに分けて面接目的を整理すると、それぞれ以下のようになります。

1次面接:問題のある学生を落とす、人数を減らす

2次面接~最終面接手前:会社に貢献する人材であることを判断する、志望度の確認、最終面接へのインプット収集

最終面接:最終判断者による確認、志望度の確認

以下、詳しく解説していきます。

1次面接

1次面接は基本的にネガティブチェック(悪い部分を確認する)が行われ、問題のある学生を落とすことを目的に実施していることが多いです。

そのため、特にプラス評価を狙いにいくというよりは悪い部分を出さないことを意識することが重要になります。

人事が見ている主なネガティブチェックとしては以下となります。

  1. 会話ができるか
  2. 表情・雰囲気
  3. 言葉遣い
  4. 身だしなみ

1.会話ができるか

これは1次面接で最も重要な観点で、もっとも多い1次面接の落選理由であるため、ぜひ皆様には意識していただきたいです。

会話ができるかとは非常に単純なことで、「聞かれたことに答えられるか」ということです。

そんな簡単なことができないわけがないと言いたくなるかと思いますが、これができていない学生さんが非常に多いです。

この原因は面接で自分が準備してきたものを披露したい、準備してきたことで勝負したいという気持ちからきていると思います。

例えば、「他人と意見がぶつかったときはどのようにして1つの意見にしていくことが多いですか?」という質問に対して、「他人と意見がぶつかった経験としてはサークルの新入生勧誘活動においてありました。私のサークルでは~」

といった形で質問と違う答えが返ってくることがあります。

今の質問であれば、「まずは自分の意見の根拠を丁寧に伝えて理解してもらうことから始めることが多いです」や「まずは相手の意見をしっかりと聞き相手の意見がどういった考え方や前提からきているかを確認して理解することから始めます」といった回答などがあると思います。

しかし、面接はエピソードを話すものと思っていると、質問に回答するのではなく準備してきたものから質問に一番近そうなエピソードを出すということをやってしまいがちです。

これが数回続くともう完全に落選を決定して、お客様対応に切り替え自社に悪いイメージを持たないようにしてクローズに向けて走り出してしまいます。

緊張もあるかと思いますが、まずは質問をしっかり聞いて、質問に正確に回答しましょう。

2.表情・雰囲気

よくいう陽キャがよくて陰キャが悪いということではありません。

面接中、まったく表情を変えずずっとムスッとした表情のままの学生さんが一定数います。

そういった姿を見ると働いてからもずっとこんなムスッとして仕事をするのだろうか、チームの空気を悪くしそうだなと思い、落選させることになります。

また、この表情・雰囲気は上位の面接官(部長や役員などの偉い人)の方が世代的にも非常に重視する傾向が強く、どうせそこを通過できないので落選させます。

そのため、楽しい話のときは楽しい表情で、悲しい話のときは悲しい表情で話に合わせて表情を出して会話することを意識してみるとよいでしょう。

3.言葉遣い

言葉遣いは多少の学生言葉は問題ありません。

逆に変に丁寧に話すぎて自分の言葉で話すことが疎かになるくらいならですますだけは気を付けて話をするくらいで大丈夫です。

ただし、友達ではないので、友達と話す感じの言葉遣いで面接に参加するのはやめましょう。

そのような人を通過させると、上位の面接官(基本的には上司である可能性が高い)に何でこんな人を通したと面接官である自分の評価を下げかねませんので、落選させます。

あとは、御社と弊社など就活で出てくるビジネス敬語だけは間違えないように少し勉強しておく方がよいです。

「弊社」の企業理念に惹かれましたというようなことをたまに言われたりしますが、あとで学生がSNS等で何を言われるかわかりませんので間違いを注意してあげることはありません。

就活において、それくらいの単語も事前に調べないということもそうですし、そのような学生を上位の面接官に見せられないということもありますので落選させることになります。

4.身だしなみ

基本的に皆さんしっかりしているので身だしなみで落選させるということはほとんどありません。

しかし、寝ぐせがついたまま、服があまりにもヨレヨレで清潔感がない人などは志望度が低いともとれるので落選させます。

普通第一志望の会社に寝ぐせがついたままやヨレヨレの服でいきませんよね。

身だしなみについても注意してあげることはできませんので、意識しておきましょう。

注意

1次面接がネガティブチェックだけではなく深く学生を理解するための面接を実施している会社ももちろんありますので、判断するためには面接時間も確認してください。

個人面接で30分より長く実施される予定の面接であればネガティブチェック以外だけでなく深く理解しようとする質問の可能性があります。

逆に30分未満であればネガティブチェックがメインである可能性が高いです。

集団面接の場合はネガティブチェックと思って大丈夫です。

2次面接~最終面接手前

2次面接からは会社に貢献する人材であることを判断することを目的に行われます。

そのため、悪い部分より良い部分を引き出してみようと思っていろいろな質問を投げかけることになります。

そのため、あなたの人柄や考え方が分かるようにテンプレートではなくあなたの言葉でお話いただくとよいです。

正直テンプレートの回答をされても何も心に響きませんし、記憶にも残りません。

悪いところはなかったけど、別に良いところもなかったねと言って落選させることになってしまうので、自分の言葉で話をしましょう。

そのうえで人事が見ている主な観点は以下のとおりです。

  • 会社に貢献する人材であるか
  • 志望度は高いか
  • 最終面接のインプット

会社に貢献する人材か

こちらは最もメインの観点となります。

会社が採用活動を実施している目的はただひとつ「会社に貢献する人材を増やすこと」です。

そのため、会社に貢献する人材であることを判断するためにいろんな質問をしていますが、主な観点は以下の2つです。

  • 再現性
  • 継続性

再現性

「会社への貢献量×貢献時間=人材の価値」とあらわせますが、再現性は会社への貢献量の観点になります。

会社への貢献量は「貢献に必要な行動を取れるか✖️再現性」とあらわせますので、基本的に仕事で求められるような行動がとれそうか、そしてその行動には再現性がありそうかを確認します。

これはガクチカや自己PRなどから、例えば、目標設定や計画の策定、周りと協力して実行できるか、計画の見直しや振り返りができるか等の行動が将来的に取れていきそうかを見ます。

継続性

「会社への貢献量×貢献時間=人材の価値」とあらわせますが、継続性は会社への貢献時間の観点になります。

会社への貢献時間はどれだけの期間自社で働いているくれるかということになりますので、基本的には自社で長く働いていてくれるかを確認します。

これは志望動機などから、就活軸や当社を志望する理由が当社の特徴と合っているか、当社のカルチャーと合っているか、熱量が感じられるかといって要素から第一志望として入社してもらえそうか、入社後も当社に適応して長く働いているくれるかを見ます。

志望度は高いか

先ほどの継続性と被る部分がありますが、志望度が高いかどうかは特に売り手市場と言われ学生側の方が立場が強い期間は特に意識されます。

会社が最も恐れるのは、その年の採用目標人数を達成できないことです。

もし経営計画を実行するのに新卒採用で100人必要となっているのに、50人しか採用できなかったら現場部署の努力とは無関係に経営計画を実行することが不可能となってしまいます。

人事担当は採用目標人数を必ず満たさなければならないのです。

そのため、最終面接に通過させる学生の大部分は第一志望である学生にしておかないと大量の内定辞退により、採用目標数が達成できなくなってしまいますので、志望度をかなり重視して聞きます。

これは他社選考状況などから、本当に志望している業界なのか、他の会社から内定が出たらそちらに行ってしまいそうな企業を受けているのか等を見ます。

最終面接のインプット

あとは最終面接のインプットとして、趣味やどんなことに力を入れてきたか、どんな勉強をしてきたか、などを聞きます。

これはエピソードの強さなどは全く関係なく、最終面接官(多くは役員。どれだけ大きい会社でも部長クラス)に学生の特徴を事前に説明するための情報収集です。

最終面接官は大抵は相当偉い人で時間も多く取れませんので、事前に情報を入れたうえで実施されることが多いです。

最終面接

最終面接は、基本的に時間も非常に短く終わることが多く、最終面接官の主観で決定されることが多いです。

先ほどにもあったとおり、最終面接官の多くは役員や部長クラスで、自分の一存で合格を決める権限を持っています。

そのため、その人独自の基準で見ることが多いですが、共通しているのはビジョンや熱量、志望度の確認です。

そのため、あまり細かいエピソードを聞かれることはほとんどなく、この会社で何を成したいのかや人生で何を成したいのかといったビジョンを話せるようにしておきましょう。

また、役員クラスは多くの会社ではまだ昭和生まれ世代ですので、ある種熱量や気合といったぶ価値観が根強く残っていますのでその点も意識しましょう。

そして、最後第一志望かどうかは必ずといってよいほど聞かれます。

役員世代からすると、ここまできて第一志望「群」です、まだ明確に順位は決めていません等と言われると正直合格させようと思えなくなります。

もちろんそれで必ず不合格にするということではないのですが、口ではなんとでも言えるはずなので、それすらも第一志望ですと言わない覚悟のなさで順位が低くなることがあります。

志望度の高い会社であれば、基本的に第一志望ですと回答するのがよいと思います。

こんなことを言うのもおかしな話ですが、後で謝罪して辞退すればよいだけなのですから。

まとめ

面接フェーズ毎に人事が見ていることを解説してきました。

以下の面接目的に沿って受け答え等を意識することで面接突破率も上がっていくと思いますので、ぜひ意識してみてください。

1次面接:問題のある学生を落とす、人数を減らす

2次面接~最終面接手前:会社に貢献する人材であることを判断する、志望度の確認、最終面接へのインプット収集

最終面接:最終判断者による確認、志望度の確認

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