【ESは何を書けばよい?】現役人事が教えるESの書き方(例文あり)
「ESは何を書けばよいか分からない・・・」、「人事はESの何を見ているんだろう?」
そんなことを考えながら不安を抱きながらESを書いている人も多くいると思います。
本記事ではESで人事が何を見ていて、皆さんがどういった戦略を持ってESを書けばよいかを紹介します。
本記事を読むことでESを自信をもって書くことができるようになりますので、ぜひご覧ください。
ESで表現するべきこと
ESで表現するべきことは以下の2つです。
・パフォーマンスの再現性
・継続性(会社に長く在籍してもらえる可能性)
この2つは他の記事でも紹介していますが、人事が面接でみていることであり、合否の判定に最も大きく影響する要素です。
ESでは、会社によって様々な設問がありますが、必ずといってあるのが自己PRと志望動機です。
自己PRでパフォーマンスの再現性を、志望動機で継続性が感じられるように書きましょう。
そしてもうひとつよくあるのが、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)です。
ガクチカについては、自己PR(パフォーマンスの再現性)か志望動機(継続性)とつながるように書きましょう。
よくあるのが、ガクチカに純粋に学生時代に頑張ったことが書かれていて、そこが培ったものが自己PRにつながるでもなく、そこで抱いた思い等が志望動機につながるわけでもないものです。
人事としては、自己PRと志望動機を聞いてパフォーマンスの再現性と継続性をある程度感じつつ、それらどちらかを補強するストーリーとしてガクチカがあると非常に納得感をもって話しを聞くことができます。
このつながりがあるとESとしては満点といえます。
まとめるとESは、自己PRでパフォーマンスの再現性を、志望動機で継続性を感じさせる話を書き、ガクチカでパフォーマンスの再現性か志望動機につなげて補強するを意識して書きましょう!
ESは何に使われるのか
ESで書くべきことがわかったところで、実際人事がESを何に使っているかをご説明します。
人事はESを以下の2つに使用しています。
・1次面接に呼ぶかどうかの判定
・初期段階の面接(1次面接~2次面接)質問のインプット
1次面接に呼ぶかどうかの判定
1次面接に呼ぶかどうかの判定では、以下の3つを見ています。
・主語述語の関係が適切で形式的に読みやすい文章であるか(ネガティブチェック)
・論理的に文章がつながっていて意味的に読みやすい文章であるか(ネガティブチェック)
・パフォーマンスの再現性、継続性が少しでも感じられるか
3つのうち、ネガティブチェックとある2つは満たしていないと即落とします。
何百何千というESを短時間で読んで、面接に呼ぶ人を選定しなければなりませんので、読んでてすっと入ってこないESはもう最後まで読みません。
もしネガティブチェックでひっかかる場合であれば、志望度が低く適当に書いているか、時間制限のない中で数百文字の文章すらまともに書けない学生と考えますので容赦なく落とします。
そのため、一度書いてからちゃんと落ち着いて見返して文章を推敲するだけでも通過率は全く変わってきます。
親や兄弟でビジネスマンをしている人が身近にいれば文章の意味がすっと入ってくるか見てもらうとよいでしょう。
ビジネスマンと学生の人に見てもらえる文章を書く力は雲泥の差なので、指摘してもらうことで見違えるほどよくなると思います。
初期段階の面接(1次面接~2次面接)質問のインプット
初期段階の面接(1次面接~2次面接)では、ESに記載されているものから質問します。
これはESに記載しているものが最も学生がしっかり準備しているもので最もスムーズに話を聞くことができるからです。
人事としては面接が終わる頃には合格か不合格がしっかり決まっていることが最も望ましく、どちらか迷うことを極力減らしたいと思っています。
どちらか迷う場合の最も多いパターンが受け答えが少し嚙み合わないせいで、聞きたかったことが聞ききれずに時間がきてしまうパターンです。
人事も落としたくて面接をしているわけではなく、優秀と感じられる人をなるべく多く通過させたくて面接しています。
そのため、学生が持っているものをなるべく引き出したうえで、合格か不合格を明確に決めたいので、最も学生がパフォーマンスを発揮できるようにあらかじめ自分が最も自信を持っているであろうESに書いている話から面接をスタートします。
逆に面接を通過していき最終面接に近づくほど、ESではなく、これまでの面接官の所管が記入された面接シートなるものを重要情報として面接されることが多くなります。
そのため、実は最終面接などになってくるとESはあまり関係なくなっています。
戦略的ESの書き方
人事がESを何に使っているかわかったうえ戦略的なESの書き方をご紹介します。
ESの書き方には大きく2つの戦略があります。
・ES通過狙い
・面接安定狙い
ES通過狙い
ES通過狙いはその名のとおり、ESは必ず通過したいという時に使う戦略です。
ESを通過させるかどうかは、以下の3つを見ていましたね。
・主語述語の関係が適切で形式的に読みやすい文章であるか(ネガティブチェック)
・論理的に文章がつながっていて意味的に読みやすい文章であるか(ネガティブチェック)
・パフォーマンスの再現性、継続性が少しでも感じられるか
このうちネガティブチェックの2つは当然意識して書きます。
最後の3つ目のパフォーマンスの再現性、継続性が感じられるかという点はESで物凄く厳しく見ているわけではありません。
なぜなら、文字数制限があり、表現できることに限界があるからです。
しかし、その文字数制限のなかでパフォーマンスの再現性、継続性が他より感じられると思った場合は確実に通過しますし、面接を呼ぶ順番も早くなります。
例えば自己PRなら以下のような文章です。
私は課題設定から解決までを再現性をもって実行する能力がある。私はフットサークルサークルに所属しており、新入生勧誘の責任者に任命された。そこで、改めてメンバーと何のために新入生を入れるのかという目的から議論をして、4年生が抜けたことで毎回の練習で練習試合ができる人数が集まらないことがあり、練習試合ができないという状況は避けたいから新入生を補充したいという目的が明確になった。
練習試合をするには10人以上必要であり、現在のメンバーが16人で出席率は概ね50%であったこと、入部からおおよそ30%は定着せず辞めてしまうという傾向から7人程度勧誘ができれば練習参加人数が10人以上となる可能性が高まり目的が達成されると想定し、目標人数を7人とした。
目標人数が7人とした場合に何人イベントに参加してくれて何人入部を決定してくれるか仮説を立てイベント回数や定員数を決めて勧誘活動を実施し無事に8人の新入生を獲得できた。結果、練習にはいつも10人以上集まるという状況を作ることができ、目的を達成できた。(437文字)
文章自体は少し長めですが、200文字なら数字などを減らして調整、800字ならイベント回数や定員数のところをもう少し具体的に記載すれば調整可能です。
目的と手段が明確に意識されており、目的の確認→目的に沿った目標の設定→目標に適した施策の決定→最終結果として目標達成→結果として目的も達成といったサイクルが綺麗につながっていて、頭を使って行動ができる人だなと感じられますし、ビジネスの現場で非常に大切である目的を意識して行動ができるかという点でパフォーマンスの再現性が感じられます。
面接安定狙い
続いては面接安定狙いです。
面接の結果が安定しないのは面接官からの質問に咄嗟に適切な回答をするのが難しいからです。
予期しない質問をされたときに少し考える時間をもらったとしても数十秒かと思いますので、深く自己分析等ができていないと整合性の合わない回答をしてしまい、面接官に嘘っぽいと思われてしまうことで落選可能性が高まってしまいます。
そこで、予期しない質問を減らして、なるべく想定した質問がくるように面接官を誘導するためにESを使います。
初期段階の面接ではESから質問を開始することがほとんどなので、ES時点で気になるところをわざと書かないようにして、そこを質問させるのです。
例えば先ほどの自己PRと同じ題材で書くと以下のとおりです。
私は課題設定から解決までを再現性をもって実行する能力がある。私はフットサークルサークルに所属しており、新入生勧誘の責任者に任命された。
新入生勧誘の目的を踏まえ目標人数を7人程度と設定したうえで、その目標を達成するためにイベント参加者の入部率を過去の結果から算出し、目標人数に必要なイベント参加人数の目標値を決め、イベントの定員やイベント回数を決定し新入生勧誘活動を実施した。
結果、目標人数を満たす8人を獲得し、新入生勧誘に目的も実現することができた。(225文字)
まず、目的を踏まえた目標設定、目標から逆算した各種の目標値決定のうえ勧誘活動を実施したということで、頭を使って行動できそうなことはなんとなくは感じられると思います。
そのうえで、この話を見た面接官は必ず以下のような点が気になり質問してきます。
・新入生勧誘の目的は何だったの?
・目的からどういうプロセスで目標人数が7人と算出したの?
・各種目標値を達成するために工夫した施策は何があった?
上記の3つはあえてESに具体的に書かないことで面接官に質問をさせます。
もちろんその質問には完璧な回答を準備しているのでスムーズ回答ができます。
最初にスムーズに回答ができると落ち着くことができその後のESには記載していないことを質問されても適切に回答できる可能性も高くなります。
まとめ
ESで何を書くべきを紹介してきました。
まとめると以下のような点を意識して書くことで選考を有利に進められます。
ESで表現するべきこと
・パフォーマンスの再現性
・継続性(会社に長く在籍してもらえる可能性)
ESは何に使われるか
・1次面接に呼ぶかどうかの判定
・初期段階の面接(1次面接~2次面接)質問のインプット
戦略的ESの書き方
・ES通過狙い
・面接安定狙い